杉並区にある善福寺川は氾濫しやすい!?氾濫の対策とこれまでの歴史

杉並区にある善福寺川は氾濫しやすい!?氾濫の対策とこれまでの歴史

杉並区の荻窪は住みやすい町にも選ばれ、東京都でも人気のある地域です。

杉並区を流れる善福寺川は普段穏やかな川です。

しかし、台風などの大雨の時、その穏やかな表情とは大きく異なる表情を見せます。

善福寺川は過去何度も氾濫し、周辺住民の家を浸水するなど深刻な被害を与えてきました。

今後も起きる可能性のある自然災害。

過去の被害と現在行っている対策について紹介をしていきます。

いざという時の知識として備えておくといいですね。

川が氾濫、浸水は過去に何回もある?2018年と2005年の大きい被害について

善福寺川は昔から氾濫をしやすい川として有名です。

特に東京都の観測史上最多の雨と言われた2005年の氾濫は「杉並豪雨」とも呼ばれ、深刻な被害を及ぼしました。

また、2018年も大雨により、警戒水位を突破する危険な事態に陥りました。

2005年杉並豪雨

9月の台風が発生しやすい時期。

台風14号の影響により、善福寺川を含める周辺の8河川が氾濫をし、5000棟が浸水するという重大な被害となったのが「杉並豪雨」です。

1時間あたりの雨は100ミリ。

30ミリの雨でバケツをひっくり返したような雨という表現を用います。

杉並豪雨の雨はその3倍という雨量を計測しました。

2018年ゲリラ豪雨

発達した低気圧の影響で度々起きるのがゲリラ豪雨です。

杉並区では2018年もゲリラ豪雨により、3月と8月に浸水被害を及ぼしました。

周辺住民はライブカメラの映像を見守りながら「善福寺川がんばれ」と心の中で祈っていましたが、大雨によって善福寺川の近くにある歩道は完全に浸水。

周辺住民の家も床上浸水の被害を受けました。

この時、善福寺川は普段の水位よりも2メートル増していたと言われています。

善福寺川、昔は高級住宅地だった?でも事件も起きていた?

善福寺川は一級河川として綺麗な水が流れ、水鳥達も憩う穏やかな場所です。

窪地になっていることから「荻窪」という名前で親しまれており、昭和の初期頃には高級住宅地として多くの人の別荘地にもなっていたのです。

現在も住みやすい町として選ばれ、若者に人気の町です。

しかし、善福寺川と妙正寺川の存在によって大雨時には川が氾濫しやすく、浸水の被害を及ぼす可能性の高い場所としても有名です。

川周辺や地下には調節池を設置したり、カメラを設置したりと水害を抑えるための工夫がなされています。

また、水害の他には1959年に起きたスチュワーデスの遺体が発見された未解決殺人事件の現場としても有名です。

しかし、現在では緑地も多く、合流する神田川を目指して川沿いを散歩する人も多い、のどかなスポットとして人気を集めています。

氾濫をしないため、杉並区が行っている水害対策とは?

度重なる氾濫を起こしてきた善福寺川を放ってはおけませんよね。

杉並区周辺には川も多いので氾濫をしないための対策を練っています。

川の護岸工事はもちろん、水量を増した川の水を一時的に貯留しておくための地下施設の建設がされています。

地下に調節池を設置した

貯留するための施設は杉並区の都立公園や環7通りの下など、いくつかの建設がされています。

巨大な空洞のようなもので別名「地下神殿」とも呼ばれています。

設置されている場所地下30メートル以上、環7下にある施設の貯留量は最大54万トンという大規模なものです。

大雨時、川が氾濫の危機にある際はこの施設に一時的に水を流し、川が落ち着いた頃にまた放水するようにできています。

善福寺川周辺の橋の橋脚を撤去し、川底を深くした

川の工事と言えば護岸工事は鉄則ですね。

川底を広く作って川の水を少しでも流せるようにする護岸工事が行われています。

また流れる大量の水が橋にぶつかると橋の決壊の恐れもあるので橋脚を撤去しました。

川の周辺にはいつ大雨が降ってもいいように土嚢を置いておく対策もなされています。

氾濫した時のため防災警報やカメラを設置

調節池や護岸工事を行ったとはいえ、氾濫した川の周囲に人がいるのは危険な状態です。

そのため、川が危険水位に達した際にはサイレンが鳴り、川周辺に住む人が川の様子を伺えるようにライブカメラが設置されています。

2018年のゲリラ豪雨では簡単に警戒水位を達してしまい、サイレンを鳴らして周辺の住民に避難の呼び掛けをしました。

川が氾濫しそうな時にはすぐに避難が重要になってくるということですね。

まとめ

人気スポットでもある荻窪。

そこで流れる善福寺川は春は桜も望める絶景のスポットで富士山も見えるという景勝地としても選ばれていますね。

しかし、「窪地であることで大雨時には雨が溜まる」というデメリットを抱えています。

「2005年の杉並豪雨」のような甚大な被害を出さないように「地下の調節池、川の護岸工事、川周辺の防災警報やカメラ」の設置をする対応を取っています。

しかし、危険な時はやはり川のそばに行かないということが一番大切ですね。

異常気象として突然のゲリラ豪雨発生も多くなっています。

善福寺川周辺に住む方は常に身の安全を考えることが大切です。