大きな見た目からは想像できない!?マンボウは弱い生き物って本当?その生態とは?
水族館の大きな水槽でゆったりと優雅に泳いでいるマンボウ。
その巨体さを見て実はメンタルがものすごく弱い生き物だと思うことはないでしょう。
実はマンボウは見た目とは裏腹に非常に繊細な生き物です。
水族館でも飼育がとても大変です。
一時期、ネットは「マンボウは太陽光で死ぬ、ジャンプをして衝撃死」をするという最弱説も有名になりました。
はたしてそれは本当のことなのでしょうか。
最弱説の真意、そして、マンボウはどんな魚であるのかを紹介していきます。
マンボウは太陽光で死ぬって本当?最弱説について
ネットではマンボウ最弱説が有名になり、「水が冷たいだけでも死ぬ」という説も出ました。
しかし、マンボウはそこまで弱い生き物ではありません。
マンボウは水深800メートルぐらいの深さまで泳ぐこともできます。
野生にいるものは日光を浴びて身体に付着した寄生虫を除去する行動も取っています。
寄生虫を払うためにジャンプをします。
しかし、マンボウのジャンプはそれほどの衝撃もなく、それで死ぬことはありません。
マンボウが日光や水温の変化ですぐに死ぬという最弱説はネット上の「ウソ」です。
しかし、マンボウは非常に繊細な生き物でメンタル面と内臓の弱さゆえ、やはり弱い生き物であることに間違いはありません。
マンボウの本当の死因第一位は心身の弱さ?かわいいけど飼育は大変
マンボウはストレスを感じやすい生き物と言われています。
水槽の中で他の生き物がいると縄張り意識から非常にストレスが溜まってしまい、それが原因で死に繋がることもあるのです。
また皮膚は弱く、人が触っただけでもその痕が残ってしまうほど。
そこから細菌に感染してしまうこともあります。
そして消化能力は弱く、魚丸ごとや固いエビの殻などを消化する能力はあまりないとされています。
・他の生き物に身体を触れられるとダメ
・他の生き物がいるとそれがストレス
・消化能力が弱く、固いものがダメ
これらの対策としてマンボウはなるべく独立した水槽で飼育がされています。
また、水槽の中を泳いでいて壁にぶつかってしまうことがあるため、その予防にビニールシートを水槽内に貼り巡らせています。
食べるものは魚をすり身などにしてゼリー状に固め、マンボウが食べやすく、消化にも良いものを与えます。
それほどの対策をしなければならないマンボウは、飼育に手がかかります。
水族館ではゆったり泳いでいてかわいく、お客さんに人気があります。
しかし、なかなか飼育員泣かせです。
マンボウは実は食用でおいしい魚、身や腸も食べられる
大きいものだと3メートルはある巨大なマンボウは食用にもされます。
日本では珍味ですが、台湾では一般的に食されています。
身は白身魚に近い淡白な味わいです。
マンボウが捕れる海辺の地方ではすぐにさばいて刺身として食べることもできます。
腸も絶品で豚や牛のホルモンのように焼いて食べるのがオススメです。
魚市場に行くと水揚げされたマンボウが販売されていることもあります。
値段も丸々1匹4000円程度で売られています。
巨大なマンボウを4000円でゲットできると思えば、なかなかお買い得な魚とも言えますね。
マンボウは泳ぐと速い?天敵はいないという最強説!
マンボウといえば、ゆったりと大海原を泳ぐイメージです。
しかし、マンボウは泳ぐ速度は意外に速い。
しかし、マンボウがそんな速さを見せてくれるのが食べ物を見つけた時だけです。
普段はあせることなく、のんびりと水中を漂っています。
なぜそんなにのんびりなのかと言うと「マンボウには天敵がいないから」です。
マンボウには天敵がいない、理由は身体の寄生虫
マンボウの身体には有名なアニサキスを始め、マンボウ特有のシラミなど寄生虫が40種類以上体内外に付着しているとされています。
そんな寄生虫を持っている生物を食べたら、食べた方もただではすみませんよね。
そのため、マンボウを食べる生き物はほとんどいないと言われているのです。
大型のシャチやサメですらマンボウは避けるとか。
でも人間が食べる場合はしっかりと滅菌処理もしているので食べても安全なのです。
マンボウが早く泳がないのは巨体だから
マンボウはエサを見つけた時だけ早く泳ぎますがそれ以外がいたってのんびり。
その理由は体の大きさゆえ早くターンができないというのも理由の一つ。
マンボウは「真っ直ぐしか泳げない」というイメージも持たれていました。
もちろん、マンボウもターンをすることはできます。
ただし、ヒレが小さいので他の魚のように素早くターンができません。
水族館で飼育するときには是非ともゆっくり泳いで欲しいというのが、飼育員の希望でしょう。
なぜなら、大海原では遮るものがなく、早く泳いでもターンしても障害はありません。
しかし、水槽の場合はすぐそこに壁があるので素早く泳いでいてはすぐに壁にぶつかる…それを回避するためにも飼育員的にはゆっくり泳いでくれた方が助かるというものですね。
まとめ
マンボウがちょっとのことですぐに死んでしまう最弱説は当たらずしも遠からず、というところですね。
マンボウは他の魚よりもデリケートなところがあり、飼育をするには大変そうです。
見た目は愛らしく、見ている人を和ませてくれるマンボウ。
ゆっくり泳ぐ姿は「天敵がいないから」こそ。
食用としても楽しませてくれる珍味な魚のマンボウは見た目も舌も楽しませてくれる魚ですね。